スポーツ 男子新体操全国オンライン選手権 2022,12,01

2022男子新体操オンライン競技会が目指すもの

過去2年間のオンライン選手権よりも、「男子新体操の魅力を伝える」ことに舵を切った今年の男子新体操オンライン競技会では、この2年間の大会開催の過程で知ることができた男子新体操の面白さ、奥深さをより多くの人に知ってもらいたいと考えている。

今回、初の試みとなるのがメイン会場に招待チームが集まっての演技披露だ。競技会とは言っても、通常の大会のようにズラリと審判が並ぶわけではないが、全国でトップ争いを繰り広げていたライバルチームが見ている前での演技披露は、かなりの緊迫感を伴うだろう。それでいて同時に、男子新体操の大会会場では感じることのできる「お互いを応援し合い、称え合う空気」も視聴者に伝わるのではないかと思う。男子新体操の選手たちは、たいていが男子新体操の大ファンだ。自分がやっているこの競技が大好きで、だからこそたとえライバルチームでもいい演技を見れば、目が輝き、盛大に拍手を送る。

メイン会場となる国士舘大学には、青森大学、国士舘大学に加え、今年のインターハイ団体TOP3である青森山田高校、神埼清明高校、鹿児島実業高校の3校が集まる。それぞれに大会で高得点を上げた団体演技を披露するほか、男子新体操のエンターテインメント性を感じさせてくれるプログラムも用意されている。

また、今大会ではかつてなく個人演技を堪能することができる。それも高校生だけでなく、大学生、社会人のトップ選手たちの演技なのだから、視聴者には訴えるものがあるに違いない。日本ではフィギュアスケートは人気スポーツであり、かつては「男子がフィギュアなんて」と言われていた時代があったことなど嘘のように男子フィギュアの個人競技は大人気だ。

男子新体操の個人競技は、フィギュアに通じるものがあるように思う。男子ではあってもじつに美しく、芸術性に富み、心を揺さぶるものがある。それでいて、スポーツらしいアクティブさ、スリル、迫力もあり、卓越した技術には驚嘆すべきものがある。団体競技に比べると注目度はあまり高くない個人競技だが、一度見てみると、団体以上にはまる人も少なくない。そんな魅力をもった個人競技を、おおいに推していくのが今回のオンライン競技会なのだ。

オンラインという特性を生かし、ここでしか見られない「将来の可能性を感じられるプログラム」も見ることができる。女性が加わることでより表現の幅を広げた男子新体操や、現役を退いた元選手たちによる創作演技動画などは、「競技」という場を離れてもなお、男子新体操のもつ可能性は無限大だと感じさせてくれるに違いない。

今大会は、「競技会」という形式はとっているが、そこで下される評価にはそれほど大きな意味はない。なによりも、男子新体操界が一体となって「男子新体操って凄いんだぞ!」を知らしめる場だからこそ、多くの演者が集まってくれたのだ。この「オンライン」というツールがあれば、男子新体操の悲願とも言える国際化もそう遠い話ではない。いずれは、海外にもこの「オンライン競技会」を広め、見てもらう、参加してもらうこともできるのではないか。そんな可能性も模索する今大会となりそうだ。

 

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